税金の会計処理。ひと口に税金といっても種類・会計処理方式ごとに勘定科目が異なる。【217】

桜

山形県南陽市の桜

税金にはどの勘定科目使う?

経理初心者の方が、よく間違えてしまう会計処理に税金に関する勘定科目があります。

実は税金、その種類(税目といいます)や会計処理方式によって、使う勘定科目が異なります。

会計士や税理士は、試験や実務経験を経る過程で、とくに意識しなくても自然にどの勘定科目を使うべきか判断できるようになります。

職業会計人や経理の方であれば当たり前にできることですが、経理経験のない一般の人からすると法人税も消費税も印紙税も同じ税金、どの勘定科目を使えばいいの?と悩んでしまうようです。

そこで、今回は税金種類や会計処理方式による勘定科目についてのお話。

なお、この投稿の勘定科目は、私が使うならこの勘定科目ということを参考に示したものです。これらの勘定科目でなければならないということはありません。

利益金額によって増減する法人税等

法人税、地方法人税、法人県民税、法人事業税、地方法人特別税、法人市民税には「法人税等」勘定を使います。

これらの税金は、損益計算書の税引き前当期純利益の金額に応じて増減します。
そのため、後述する固定資産税、印紙税などの利益額によって増減しない税金(「租税公課」勘定を使用)とは区分する必要があります。

勘定科目を使い分けた結果、
・法人税
・地方法人税
・法人県民税
・法人事業税
・地方法人特別税
・法人市民税
には「法人税等」勘定を使います。

「法人税等」勘定は、その性質上、損益計算書上、税引き前当期純利益の下に表示されます。

消費税・地方消費税

消費税・地方消費税には、税抜方式と税込方式の2つの会計処理方法が認められています。

どちらを採用するかによって、使用する勘定科目が変わってきます。

税抜方式を採用した場合(中間納税を除く)

税抜方式を採用した場合、期中は消費税等を「預かり消費税」と「仮払消費税」で認識します。

・「売掛金」1,000 /「売上」 1,000
・「売掛金」80  /「預かり消費税」80

・「仕入」600   /「買掛金」600
・「仮払消費税」48 /「買掛金」48

決算仕訳で、「預かり消費税」と「仮払消費税」を相殺して、消費税申告書の末尾の確定納税額を「未払消費税」として計上します。

・「預かり消費税」48 /「仮払消費税」48
・「預かり消費税」32 /「未払消費税」32

税込方式を採用した場合(中間納税を除く)

税込方式を採用した場合、期中は消費税等を勘定科目で認識しません。

決算仕訳で、消費税申告書の末尾の確定納税額を計上します。

・「租税公課」 32 /「未払消費税」 32

固定資産税(償却資産税を含む)、印紙税

土地や建物や償却資産に課税される固定資産税は、「租税公課」勘定を使います。

同様に、印紙税も「租税公課」勘定を使います。

これらの税金は、損益計算書の税引前当期純利益(もうけ)の金額に関係なく、一定額の経費としての性格をもっています。

通常、これらの税金は損益計算書の販売費及び一般管理費の区分に「租税公課」として計上されます。

源泉所得税、従業員の(特別徴収)住民税

源泉所得税、従業員の(特別徴収)住民税は「預り金」勘定を使います。

これらの税金は、雇用主である法人や個人事業主に課税されるものではなく、従業員個人に課税される税金です。

つまり本来は従業員個人が国や地方自治体に納めるべき税金を、雇用主が従業員の給与から天引きして、従業員に代わりに国や地方自治体に納めているだけです。

その会計的性質は単なる「預かり金」(負債)です。したがって「預り金」勘定を使います。

おまけ

【編集後記】

午前はルーチン業務
午後は法人クライアントへ月次訪問
夜は、恩師と山形駅前で飲み会(7年ぶりの再会です。)

【ムスコログ】

またまたiPadの約束時間を守れなかったので、しばらくiPadを封印することにしました。(-_-;)
ITガジェットの取扱いどうしようか悩んでいます。。