近い未来の資金状況を把握しているといないでは安心感が全然ちがう。「資金繰り表」の作成のすすめ。【323】

ピタッとハウス

山形市南四番町ぴたっとハウスさんにて

 

はじめてのお客様の面談時に、資金繰り表を作っていらっしゃいますか?と尋ねても、たいてい作っていらっしゃらないことが多いです。

資金繰り表をつくらなければ、暗中模索の状態に陥ってしまい、お金の不安がとどまるところを知らず増大してしまいます。
毎月の支出額を大きく上回る収入が安定的に入金になる場合のように、潤沢な資金があれば資金繰りに不安は微塵もないかもしれません。

しかし、私の税理士業も含めて、一般的に潤沢な資金があるケースは希でしょう。
そのため、資金繰り表による資金管理が重要になります。

将来が見えているという安心感

資金繰り表は、過去から現在、近い未来の資金状況をシュミレーションしています。

たとえば、今月末に100万円の資金があり、来月末に50万円入金、同じく来月末に200万円出金があるということがシュミレーションできれば、来月末に資金が50万円足りなくなるという「問題」は誰にでも分かります。

払えない状況を回避するために、最低でも不足分の50万円をどこかから調達してこなければならない!という「課題」が把握できます。

資金繰り表により、資金管理上の「問題」と「課題」を把握することができるようになります。
しかも、それらを認識する時点は、50万円の資金不足という「問題」が現実に発生するより前です。
事前に「問題」と「課題」を把握することができるため、そんな事態にならないように「有効な対応」をすることが可能になります。

残念ながら「有効な対応」までは、資金繰り表で認識することはできませんが、中小企業の現実の対応としては次のようなものでしょう。
・銀行から融資を受ける
・社長の個人資産から会社に貸し付ける
・役員報酬を未払いにして会社に資金を残す

どの対応をするにしても、「問題」と「課題」の認識が早いほど、その後に「有効な対応」を行える可能性が高まります。
(銀行融資を受けるとしても、それなりの審査期間が必要になるため。)

この「有効な対応」を行うため、中小企業でも資金繰り表の作成をオススメしています!

Excelのかんたんな資金繰り表で十分

すこし会計に詳しい人であれば、資金の動きを表す財務諸表は「キャッシュ・フロー計算書」ということをご存じかもしれません。

資金繰りをするなら、「キャッシュ・フロー計算書」を作らなきゃ。。。でも貸借対照表や損益計算書に比べて、作るのが難しいんだよな。。とお嘆きであれば、その必要はございません。

「キャッシュ・フロー計算書」はあくまでも外部公表用の財務諸表であるため、はっきりいって凝りすぎです。
また一般的な中小企業の経理能力では作成することが難しいでしょう。

そこで資金繰り表はExcelなどの表計算ソフトを利用して、自作したものでOKです。
別に誰に見せるわけでもなく、社長と経理部が読んで理解できる程度のラフなもので、十分にその機能(問題と課題の早期発見)を発揮してくれるでしょう。

なお資金繰り表は紙ではなく、Excelなどの表計算ソフトで作成されることをオススメします。
資金繰り表は、その性質上、何度も入金予定額や出金予定額を変更することになります。(あくまで予測にもとづくシュミレーションのため)
予測値を変更するたびに、資金残高を計算するのは骨が折れるため、表計算ソフトの「式」を利用して残高を計算することが効率的だからです。

お金の不安を軽減させる効果あり

資金繰り表は近い未来の資金の入金・出金もシュミレーションを行います。

資金残高と入金と出金の関係で、未来のどの時点で資金不足という「問題」が起こるのかを、ある程度の高い精度で知らせてくれる経営ツールです。

経営者が寝ても覚めても常に気にしているのは資金繰りです。
(私の経営者の端くれとなりましたので、その心境がよく分かるようになりました。)

いつ資金が不足してしまうのかにとても神経を使っています。

リスクを負ってビジネスを行っているため、資金が慢性的に不足して倒産すれば、それなりのペナルティー(自己破産など)を負うことになるからです。

かくいう私も、今日の夕方、お金の不安に取り憑かれました。
閑散期である6月以降の資金残高の減少額が大きくなっていたからです。
資金繰り表を眺めて、その原因をつきとめて、なんとかお金の不安を軽減することができました!
資金繰り表を作っていてよかったーと実感した結果、このブログになりました。

近い未来の資金繰りを予測してお金の不安を軽減することは可能です。
みなさんも資金繰り表を作成してみてはいかがでしょうか?
いや、絶対に作成するべきだと思います!(手間もお金もほとんどかかりませんが効果はテキメンです)

以上です。また明日!

おまけ

【本日の成長】

資金繰り表のよる資金管理の重要性を再認識(自分の個人事業で。。)

【編集後記】

プール参観に参加しました。
参加されている親御さんのほとんどが園児の母親。
父親は私を含めて3人でした。母親は数えられないくらいたくさん。
フリーランスで時間が自由にならなければ、私も参加できなかったでしょうね。

【ムスコログ】

親も参加するプール参観で、はりきってウォータースライダーを滑っていました。
年小では怖くて滑れなかったのに。
1年で成長するものです。私も負けじと成長しなければ!

【サービスメニュー】

林伸幸の特徴&プロフィール
税務・財務顧問
経理・税務トレーニング
単発コンサルティング
確定申告