信用取引の相手先の財務体質は大丈夫?定期的にチェックすることをおすすめ。(安全性分析)【75】

長年付き合っている取引先だから、
少しくらい売掛金がたまっても大丈夫だろう。
売上もほしいし・・・。
と思っている経営者の方はお気をつけください。

相手の財務体質を分析する指標

取引先の信用力を判断する財務分析として、
「安全性分析」という分析指標があります。
大別して短期的な安全性を分析するものと
長期的な安全性を分析するものがあります。

流動比率

流動比率(%)=(流動資産÷流動負債)×100
で表される指標です。
この指標は、比較的すぐ現金化する貸借対照表の流動資産合計が、
比較的すぐ支払わなければならない貸借対照表の流動負債合計を
カバーできているかを示します。
短期的な支払能力を判断でき、
一般的に200%以上が望ましいとされています。

当座比率

当座比率(%)=(当座資産÷流動負債)×100
で表される指標です。
この指標は、すぐにでも現金化できる当座資産で、比較的すぐ支払わなければならない
貸借対照表の流動負債合計をカバーできているかを示します。
流動比率よりもさらに厳しく短期的支払能力を判断でき、
一般に100%以上が望ましいとされています。

固定比率

固定比率(%)=(固定資産÷自己資本)×100
で表される指標です。
この指標は、すぐに現金化できない固定資産を、
返済義務のない自己資本(資本金、利益剰余金など)で、
どの程度カバーしているのかを示しています。
長期的な安全性を判断でき、
一般に50%以上が望ましいとされています。

固定長期適合率

固定長期的適合率(%)=固定資産÷(長期固定負債+自己資本)×100
で表される指標です。
この指標は、前述の固定比率よりも緩和して、
すぐに現金化できない固定資産を、
返済までの期間が長い固定負債と返済義務のない自己資本で、
どの程度カバーしているのかを示しています。
固定比率と同じく長期的な安全性を判断でき、
一般に100%以上が望ましいとされています。

自己資本比率

自己資本比率(%)=(自己資本÷総資本)×100
で表される指標です。
この指標は総資本に占める自己資本の割合を示すもので、
総投資額をどのくらい返済義務のない自前の資金で準備しているか
を示します。
固定比率、固定長期適合率と同じく長期的な安全性を判断でき、
一般に50%以上が望ましいとされています。

決算書を入手する方法

さて決算書を分析する方法は分かったが、
相手先の決算書が手に入らなければ、
前述の分析指標は無意味でしょう。

初めての取引先であれば取引開始にあたり、
決算書を求めても角が立ちません。
むしろ売掛金の焦げ付き(回収不能)を避けるためにも、
私は求めるべきだと思います。

問題は継続的な取引先の場合です。
この場合、決算書を求めると角が立ちます。
それ以降の取引関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、堂々と決算書をくださいとは現実的には言えないと思います。
(それを言えるメンタルが強い人はそうそういないでしょう。)

そこで帝国データバンク、東京商工リサーチ、
リスクモンスターなどの専門調査会社のレポート(決算数値を含む)
を有料で入手できるG Searchデータベースというサイトがあります。
G Search データベース
ここに登録されている会社であれば、
中小企業の決算数値であっても有料で入手できるため、
前述の財務分析指標を使って、対象会社の信用力(安全性)を判断できます。

定期的な信用調査を怠って、
多額の売掛金未回収や不渡手形に遭遇しないように、
ぜひお気をつけください。

【編集後記】
・昨日、東京日帰りにて受講したブログセミナーの復習&実践
・HPのカスタマイズ

【ムスコログ】
今日も朝から元気で、お気に入りのムシキングをプレイしました。
はしゃぎすぎて疲れたのか、夕食を食べてすぐ、7時頃に就寝しました。
おかげでWordPressをいじくる時間を多めにとれました。