相続税の基礎控除40%減による相続税増税の改正により、最近はオーナー会社の社長様より事業承継のご相談をしばしば受けるようになった。
あるケースでは幸い次期経営者の選定はほぼ完了しているが、どのようにオーナー会社株式を次期経営者に移すかが会社経営上・税務上問題になる。株式の分散を防止しながら、かつ税金コストを抑えられる方法が望ましい。
方法として①次期後継者が相続により取得する②次期後継者が現経営者と贈与契約により受贈する③次期後継者が現経営者と買契約により取得するといったことは考えられる。
貸借対照表に繰越利益剰余金が多額に計上されているような利益体質の会社では、その株式を国税庁の評価基準に基づき評価する必要がある。通常は現経営者の保有している総株式の評価額は高額となるので、①相続については相続税、②贈与については贈与税が発生し、その税金コストも多額になる。また③売買は次期後継者が購入代金を現経営者に支払う必要があるが、通常はそのような多額の資金を次期後継者は持ち合わせていない。
そこで贈与税の暦年課税を利用して、暦年中に贈与した株式評価が110万円以下になるように、株式を贈与する方法が、株式の分散を防止しながら、かつ税金コストを抑えられる方法だと考える。ただし、この方法で次期経営者にすべての株式を移すには暦年数(10年超が普通)がかかるので、長期的な事業承継の計画を立てる必要がある。
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