知らないで法人成り(個人事業の会社化)すると損をする。法人成りのデメリット5つ【90】

やまがたキャラ きてけろくん

 

昨日は個人事業の法人成りのメリットについて書きました。
今日は反対にそのデメリットについて記事を書きたいと思います。
なんにでもメリットとデメリットがあるので、
その両方を検討して、意思決定するのが望ましいでしょう。

デメリット1:利益が出なくても一定額の税金がかかる

個人事業の場合、課税所得(もうけ)が0円もしくはマイナスであれば、所得税や住民税は一切かかりません。
(ただし消費税はもうけに関係ない税金なのでかかる可能性はあります。)
それに対して、会社(法人)の場合、所得(もうけ)が0円もしくはマイナスであっても、住民税が一定額かかります。
私の住む山形市の会社である場合、法人県民税の均等割り22,000円と法人市民税の均等割り50,000円が必ずかかります。

まあ、会社として存在するための一種の固定費のようなものですね。
そのため、赤字の個人事業が法人成りすると住民税均等割りの税金分だけ、
利益を減らすことになるので、私はおすすめしません。

デメリット2:社会保険(健康保険・厚生年金)に強制加入

会社(法人)は法律の規定により役員・従業員を社会保険(健康保健・厚生年金)に加入させなければなりません。
これは代表取締役1人の会社であっても同様です。
そして、この社会保険料の半分を会社が負担しなければなりません。

実はこの金額がバカにできません。
例を挙げてみましょう。
平成29年9月分として山形県で35歳の正社員に240,000円の基本月給を支払ったとします。
その場合、会社が負担する健康保険料は11,988円、厚生年金保健料は43,920円、
合計で55,908円となります。

実はこの社会保険料会社負担分に苦しんでいる会社が多いんです。
そして会社にした場合、不可避のコストなので慎重に検討するべきでしょう。

デメリット3:税理士事務所等への報酬が高くなる

個人事業の確定申告書は割とシンプルなので、
一般の方でも「確定申告のやり方」みたいな本を買えば確定申告することも可能です。

しかし、法人税の申告書は、
それなりの勉強をした人でなければ、自分で作成することは難しいと思います。
(まあ、誰でもできたら専門家とは呼ばれないですよね・・・(-_-;))

そこで税理士事務所や会計事務所のサポートやアドバイスが必要になるため、
税理士や会計事務所への報酬が発生することになります。
また個人事業から法人になると、税務署などへの提出資料が急に増えるため、
やはり税理士等への報酬が増額されるのが通常です。
したがって、経理、税務にかかるコストが増加します。

一般的な会計事務所の場合、作業代行をメインとするため、
その事業を継続する限り、税理士報酬等のコストを支払い続けることになります。
それを回避するには、手前味噌ですが、私の提供する「経理・税務トレーニング」などで、
クライアント自身で税務申告まで完了するスキルを習得する必要があります。

HPメニュー:経理・税務トレーニング

デメリット4:税務調査に入られる可能性が高くなる

税務調査の対象は、やはり個人事業よりも法人です。
その理由は、以前記事にしてますので以下のリンクを参照して頂ければ。

税務調査官が必ずチェックするポイント

デメリット5:簡単に開業・廃業できない

個人事業の場合、極端にいえば、今日税務署に開業届を出せば今日から開業でき、
明日税務署に廃業届をだせば明日で廃業できます。
しかも費用は紙代と郵送料(持参すればタダ)くらいです。ほとんどコストがかかりません。

それに比べて会社の場合、設立にあたり定款をはじめ複数の書類を作成し、公証人の認証をもらい、
法務局に設立登記をするなど大変な手間とコスト(だいたい30万円)がかかります。
廃業についても会社の解散決議、清算手続き、清算結了登記が必要になり、
これまた大変な手間とコストがかかります。
まあ、もともと自然人(人間)じゃないのに法律で人格を与えたり、奪ったりするんだから、
手続きは厳重にするよってとこでしょうか。

まとめ

法人成りはデメリット1から3のコストアップが頭の痛いところです。
継続的で大幅な黒字体質の個人事業で、法人成りによるコストアップを吸収しても
利益があまりある場合に、法人成りを検討するといいんじゃないでしょうか。

 

【編集後記】

ビットコインをはじめとする仮想通貨に関する、確定申告のお問い合わせをいただきました。
流行ってる最先端の税務に触れられて嬉しいかぎりです!

【ムスコログ】

amazon primeでウルトラマンジードを見ているときは、
静かにしてくれて仕事がはかどります。
円谷さんも仮面ライダーも子供引力すごいですね。