ドトールで持ち帰りなら消費税8%、店内で食べるなら消費税10%?悩ましい複数消費税率併存の実務【105】

8%か10%か悩むの図

 

消費税軽減税率制度の概要

消費税の軽減税率制度が平成31年(2019年)10月1日から始まります。
この記事を書いている今日は、
平成29年12月25日(月)なので、
残り1年と9か月ちょっとで軽減税率制度が開始されます。

この制度は、消費税率(国税分と地方税分を含む)を現行の8%から10%に引き上げるが、
飲食料品(酒類を除く)と新聞は軽減税率として、現行の8%のまま据え置くというものです。
つまり、平成31年(2019年)10月1日から8%と10%の複数の消費税率が併存することになります。

皆さんもご存じのように、これまでも消費税率は段階的に引きあげられてきた歴史があります(3%→5%→8%)。
それでも大きな実務面の混乱が起きなかったのは同時期に複数の消費税率が併存していなかったからでしょう。
5%から8%の引き上げのときは、平成26年3月31日以前ならすべて旧税率(5%)、
平成26年4月1日以降はすべて新税率(8%)というように、特定の日にちですっぱり区分ができたのです。
判断基準が極めて客観的でしたので、5%なのか8%なのかで悩む必要がなかったと思われます。

持ち帰りは8%、店内で食べるなら10%

軽減税率制度が開始されると、今回の記事のタイトルのように、
ドトールでコーヒーとサンドイッチを注文して、
テイクアウトにすれば8%、店内で食べれば10%という、
同じものを買ってるのに、適用税率が変わるという
なんだかよく分からんことになっています。
持ち帰ると飲食料品(8%)で、店内飲食は外食(10%)という判断だそうな。。

このケースはまだマシな方です。
消費税率の複数税率の併存は、8%なのか10%なのかの判断が複雑で、
税の専門家である税理士でも判断に迷うものが多々あります。
それに応えるかのように、国税庁からQ&Aもたくさん出ていますが、
それが全てのケースに100%対応することは難しいため、
かならず実務の実行面で判断に悩むケース出てくるでしょう。

なんでこんな複雑にする必要があるの?

複数税率を採用してまで複雑にする理由は、消費税率を10%に引き上げるにあたり、
飲食料品などの生活必需品は旧税率8%で据え置いていますよ、
あなたたちに配慮していますよ、という国民へのアピールをするためです。
企業会計に比べて税制は、政策的な影響をもろに受けます。
その産物がこの複数税率併存という複雑な実務です。
複雑な実務の影響は、税理士だけでなく、
多くの企業や個人事業主に影響を与えることになります。
飲食店ではレジの買い替え、企業では業務ソフトのバージョンアップ、
会計事務所でも業務ソフトのバージョンアップが必要となるでしょう。
消費税率の引き上げが必要であれば10%の単一税率にして、
複数税率の採用を却下してほしいのは、私だけではないはずです。。。(-_-;)

国税庁 消費税軽減税率制度リーフレット

 

【編集後記】

・年末調整の進行
・確定申告の準備
・不動産の賃貸借契約書の受けとり

【ムスコログ】

かなり長い時間を息子と一緒に過ごすことができました。
朝と夕方、幼稚園の預かり保育に送り迎えをして、
そのまま外で外食して、お風呂も一緒に入り、
寝る前には「おしりたんてい」の絵本を読み聞かせました。
勤めている時に比べて、一緒に過ごす時間が増えました。
息子本人は満足しているようです。ただし、夜は一緒に寝てくれませんが。。。(-_-;)