ビジネスを始めたばかりの経営者の方に、
「掛けで商品を売ってまだ入金ないのに、なんで売上を計上しなきゃいけないの?税金多くなるじゃない。」
という質問を受けることがありました。
その方は入金=売上計上と考えられていたのでしょう。
今回は会計の基本的な考え方である実現主義についてのお話。
売上をいつ計上するか
売上などの収益を会計上、どの時点で計上するのか?ということは検討の余地があります。
売上取引は一時点で完結するわけではなく、見積から始まり代金回収の一連のプロセスを経て完了するからです。
商品・サービス(以下、商品等)の売上取引の一般的なプロセスは以下のとおりです。
①見積りをする→②注文を受ける→③納品をする→④代金を請求する→⑤代金を回収する
売上取引をした場合に、売上プロセスのどの時点で、会計上、売上を計上するのかを検討する必要があります。
これを収益認識基準といいます。
収益認識は商品・サービスを納品・提供したとき
会計では商品等の納品・提供した時点を売上が実現したと捉えてこの時点で売上を計上します。これを実現主義といいます。
(会計がなぜこの時点を採用しているかは今回は省略します。)
この時点で商品等と引き換えに、代金を受け取っていれば、
仕訳1:(借方)現金 100万円 (貸方)売上 100万円 ※金額は任意
となり、売掛金は計上されません。
しかし、商品等を納品・提供した時点で、後日代金を回収することにした場合、
仕訳2:(借方)売掛金 100万円 (貸方)売上 100万円 ※金額は任意
となり、売掛金が計上されます。
仕訳1では、商品等の計上時点と代金回収時点が一致しているため売掛金が計上されません。
仕訳2では、商品等の計上時点と代金回収時点が一致しておらず、納品・提供の後に代金回収することになります。
この場合、商品等はすでに納品・提供しているので、会計上は売上を計上しなければなりません。しかし入金がないため、借方科目を代金請求権である売掛金という科目で計上します。その結果、売掛金が計上されます。
結論
冒頭の疑問に戻ります。
「掛けで商品を売ってまだ入金ないのに、なんで売上を計上しなきゃいけないの?」に対する回答は、
会計では売上認識基準(売上をどの時点で計上するか)を、商品・サービスの納品・提供時点と捉えている(実現主義)からであり、
代金回収は売上取引とは別の取引とみなし、代金回収の有無は売上認識基準には関係させないからです。
おまけ
【編集後記】
2日半にわたる税理士会無料相談に参加し、緊張がほぐれたので今日は1日中オフでした。
息子と幼児ポピーを読み進めたり、溜まっていたマンガ(Hunter×2)を読んでリラックスな1日でした。
【ムスコログ】
微熱が数日間つづいています。
本人は元気なんですが、さすがに発熱期間がながいので、
明日も熱があれば休日診療所で診てもらうことにします。