みんなが意外と知らない公益社団・財団法人に関する基礎知識。知ってると一目置かれるかも。【156】

山形市駅ビル ジブリグッズ屋さんの入り口にて

 

公益社団法人、公益財団法人という法人格を見かけることがあります。
有名なところでいうと公益財団法人日本財団。
みなさんも街中で人の顔の横に万歳の手がついてる公益財団法人日本財団のペイントがある車を一度は見かけたことがあると思います。イメージ用にリンク貼っておきます。

日本財団のロゴ

今回はよく見かけたり、聞いたりするけど、あまりなじみのない公益法人についてお話します。

公益法人、公益目的事業とは

公益法人とは、一般社団法人・一般財団法人(2つ合わせて一般法人という)のうち、公益目的事業を行うことをメインの目的にしている法人は、申請により、公益社団法人・公益財団法人の認定を受けた法人のことを言います。

ちなみに社団とは、一定の目的をもった人の集団です。財団とは一定の目的のために結合された財産の集まりです。
法人とは法律によって私たち自然人と同様に法律上の権利義務の主体になれるものをいいます。

この公益法人は、あたまに「公益」とついているとおり、公の利益になる事業(公益目的事業)を行っています。
公益目的事業とはなんだ?と思われるでしょう。

公益目的事業とは、学術、技芸、慈善その他の公益に関する種類の事業であり、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものと定義されています。
具体的には、学術及び科学技術の振興、文化及び芸術の振興、高齢者福祉の増進、一般消費者の利益擁護、障害者の支援などに関する事業です。

公益法人の財務上の遵守事項

公益法人会計業界でいう、いわゆる以下の財務3要件を遵守する必要があります。
この要件を遵守しないでいると最終的には公益認定を取り消されます。

収支相償(しゅうしそうしょう)

簡単にいうと、公益目的事業で利益(もうけ)を出してはいけないという制約です。
公益目的事業から得られる収入は、公益目的事業のための費用と同じかそれ以下でなければならないとしています。
公益目的事業なんだから利益が出るような高い料金設定をする必要はないでしょ、損しない程度に安くしてもっと多くの人に利用してもらおうよ、というイメージで。

公益目的事業費率

公益目的事業の事業費を、すべての事業費および経常的経費の50%以上でなければならないという制約です。
公益目的事業をメインでやってんるんだから、総コストのうち半分以上は公益目的事業に使ってね、というイメージ。

遊休財産

遊休財産額は公益目的事業費の1年分を超えてはならないという制約です。
せっかく財産もってるんだから、公益目的事業に使いなさいよ、というイメージ。

公益法人になる税制上のメリット

公益法人になると、公益に資する事業を行う法人なので税制上の優遇措置が受けられます。

公益法人も法人なので株式会社と同じく法人税が課税されます。
しかし法人税については、税法上で定める34種類の収益事業についてのみ課税となっています。
ただし、収益事業であっても公益目的事業なら非課税となっています。

つまり公益目的事業には法人税をかけませんよ、という優遇措置です。
これは大きなメリットですね。

まとめ

・公益法人は公益に資する事業を行う法人
・公益性を高めるため財務3要件を遵守する必要がある
・公益法人には株式会社にはない税制上のメリットがある

おまけ

【編集後記】

始めて公益法人について真正面から勉強しました。
株式会社や有限会社は国家試験で散々やりましたが、試験範囲外なので公益法人はまったくノータッチでした。
公益社団法人・公益財団法人を目にするたび株式会社とどう違うのかなと思っていましたが、
今回の勉強で大きなところはクリアになりました。
やはり新しい分野を勉強すると知見が広がりますね。

【ムスコログ】

引き続きインフルエンザBのため発熱しています。
今週は幼稚園をあきらめたようです。。