金融機関がいう「決算書を見せて」は、どの書類を指しているのか。会社の場合。【265】

コザブジェラートの前

山形市山寺COZABジェラートさん前で川遊び

 

会社が金融機関から運転資金や設備投資資金を借り入れる際に、通常は融資担当者から「融資判断に必要なため決算書を持ってきて下さい。」と言われます。

しかし一般の方には「決算書」と言われても、どの書類を持っていけばよいのか判断できないことが多いのではないでしょうか?

というのも、一般に会計事務所が作成した「決算書ファイル」には、様々な書類がつづられているからです。

私はお客様から、どの書類を持って行けばよいのか分からないというご相談を何度も受けた経験があります。

金融機関が確認したい書類

金融機関が融資判断に際して、最低限確認したい書類は以下1~5の書類です。
ちなみにこれらは日本政策金融公庫の一般的な依頼資料です。
固定資産金額が多額な装置産業など特殊な業界もしくは別の金融機関では追加の資料が必要になるかもしれません。

  1. 損益計算書
  2. 貸借対照表
  3. 勘定科目内訳明細書
  4. 法人税の確定申告書の別表1
  5. 法人時の確定申告書の別表4

各書類の解説

書類のタイトルだけではイメージがつきづらいと思うので、各書類ごとに解説していきます。
タイトルだけでイメージが付く人は、このパラグラフはスキップしていただければ。

1の損益計算書について。
1年間の売上高からグループ分けした1年間の費用を段階的に差し引くことで、段階的に儲け(損益)を計算する表です。
売上高から始まり、最後は当期純利益で終わります。

2の貸借対照表について。
決算日時点の資産と負債と純資産で構成される表です。

3の勘定科目明細書について。
貸借対照表や損益計算書に集約表示された内容の内訳をしめす明細書です。
簡単にいうと、貸借対照表で「現金預金」が合計で100万円と表示がある場合、どこの銀行のどの口座にいくらあるのかという明細を表示します。売掛金や買掛金の相手先ごとの残高も明細書に含まれます。
損益計算書科目の内訳もありますが、貸借対照表の残高明細がメインの書類です。

4の法人税の確定申告書の別表1について。
税務上の儲け(所得)、それに課される法人税額、来期以降に繰り越される繰越欠損金(赤字の繰越額)を計算・表示する書類です。
税務上の儲け(所得)がでているかどうかを確認するのに最も適した書類です。

5の法人税の確定申告書の別表4について。
会計上の儲け(当期純利益)を税務上の儲け(所得)に変換するプロセスを示した書類です。
これを確認することで、会計上の儲けと税務上の儲けのズレを知ることができます。

過不足なく、てっとり早く対応するには

ここまで金融機関が確認したい書類についてブログを書いてきて、すべてひっくり返す結果になりますが(笑)、一番手っ取り早く過不足ない対応は、会計事務所が作成した「決算ファイル」を金融機関に持参することです。
そして、「決算ファイル」を金融機関担当者にいったん預けて、必要な書類をコピーしてもらい、原本ファイルをそのまま返してもらうのが、シンプルかつ間違いない方法です。

下手に「決算書ファイル」から、書類を抜き出して、金融機関に持参しても、書類の過不足があるともう一度足を運ばなくてはならなくなります。確実に1度で終わらせるには、「決算ファイル」を丸ごと金融機関に持参することをオススメします。

以上、また明日!

おまけ

【編集後記】

会社員のときには、経験しなかった案件について調べものをしました。
独立して初めて経験する税務です。
すべての経験をしてから独立することが不可能でしょうから、これは避けて通れないと考えています。

【ムスコログ】

息子のリクエストにより、ファミレスCOCOSでお子様ランチを食べました。
その後、近所の公園に遊びに行くと幼稚園で同じクラスの女の子が遊んでいました。
うちの息子はその女の子と遊びたいのか、弟のようにずっと後ろについて回って遊んでいました!(^^)!