贈与税と相続税は密接な関係がある。贈与税のほうが相続税よりも税負担が大きい。【372】

贈与税と相続税。切っても切り離せない密接な関係です。

贈与税は相続税を補完する

贈与税や相続税の入門書を紐解くと、十中八九、「贈与税は相続税の補完税」という枕詞のようなフレーズが登場します。

初めて贈与税や相続税を学ぶ人は、なんのこっちゃ!となるでしょう。

たいていの本は、そのフレーズを言いっ放しでなく、以下のような丁寧な解説が付いています。

相続税は相続人が遺産を相続した場合(通常、相続される人の死亡)に、遺産額に応じて課せられる国税です。

そのため、相続税を払いたくなければ、相続される人が死亡する前に生前贈与してしまえばよいと考える人がでてきます。

これが可能であれば、誰も相続税を払う人がいなくなります。

このような、生前贈与に対しても贈与税を課すことで、相続税を回避するための生前贈与を抑制しています。

そこから、贈与税は相続税の補完するための税、すなわち補完税であると言われています。

贈与税がなければ、みんな生前贈与してしまう

前述の丁寧な(?)解説のとおり、相続税は相続が開始(相続される人の死亡)されるまで課されることはありません。

そのため、相続を予見して生前贈与をすることが横行してしまい、相続税の課税逃れが簡単にできてしまいます。

そうさせないために、わざわざ贈与税を設けて、相続が開始されることを予見して、生前贈与することを規制しています。

贈与税のほうが税負担は大きい

贈与税の基礎控除額(税金を課されない金額)は相続税のそれよりも圧倒的に少額です。

また税率に関しても相続税にくらべて贈与税のほうが高くなっています。

そのため、相続税にくらべて贈与税のほうが税負担が大きくなっています。

仮に贈与税のほうが税負担が小さければ、わざわざ相続を待たないで、遺産となりそうな財産をすべて生前贈与して、税負担を軽くしようと考える人がでてくるでしょう。

この状況を防止するために、相続税よりも贈与税の税負担を重くしているんですね。

しかし、暦年課税の贈与税は年間110万円までは、贈与税を課税されることなく財産を移転することができます。

わずか年110万円ですが、長年にわたり贈与しつづければ、ある程度まとまった財産を他の個人に移転することができ、結果として相続税なども低くおさえることができるでしょう。

ちなみに年110万円以下の贈与であれば贈与税申告書の提出すら不要です。

せっかくなので、この年間110万円の枠を計画的に利用しましょう!
これでも減らないくらいの資産家の方は税理士にご相談ください(笑)

以上です。また明日!

まとめ

・贈与税は相続税を補完する
・贈与税のほうが相続税よりも税負担が重い
・暦年課税の場合、年間110万円以下であれば贈与税はかからない

おまけ

【本日の成長】
相続税・贈与税の基本書をおさらい。

【編集後記】
ありがたいことに、お知り合いの方のご紹介などにより、未経験の仕事をいただけるようになってきました。
タイトなスケジュールになりつつありますが、仕事があることで安心できます。

【ムスコログ】
連日のイベントの疲労を回復するため、1日中、家で過ごしました。明日から幼稚園なので休養に努めました。

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