自由とリスクは表裏一体。独立後はじめての確定申告期で強く実感したこと。【176】

東北税理士会山形支部の税理士無料相談会会場のポスター

確定申告期限の3月15日まで残すところ1週間とちょっとです。
私は独立開業して今回が初めての確定申告期でした。
今回は、独立後初めての確定申告期に税理士業務を行いながら考えたこと、というお話。

リスクを負うからこそ自由

税理士は自由業?

弁護士や税理士は自由業だという表現を聞いたことがあります。

私も税理士なので、自由業とはなんぞや?と定義をググってみました。
すると、「自由業とは、勤務時間に縛られるなどの制約を受けない、作家や弁護士のような専門的職業」という説明がヒットしました。

うーん。確かに私のように独立して、妻と2人で気楽にやってる税理士タイプは自由業の定義に当てはまるなぁと思います。

でも税理士と言っても働き方は人それぞれ。
税理士法人で代表税理士・社員税理士をしている人もいれば、その税理士法人で資格者スタッフとして勤務している人もいます。
税理士法人とまではいかなくても自分が代表の税理士事務所を経営して、たくさんスタッフを雇用している人もいます。
私のようにフリーランスのような働き方をしてる人もいます。(少数派だと思いますが)

そのため一概に税理士は自由業だとは言えないなぁと思います。

自由業の現実

自由業。。。
なんだか響きはとってもいい感じですね。軽やかな感じで。
上司や会社、さらには時間にも拘束されない素晴らしいワークスタイルのように聞こえます。

でも実際は、自由な働き方を得る代わりに、代償としてリスクや収入不安定と背中合わせなんです。

税理士業でお話すると、確かに私のスタイルは自由業といえるでしょう。
勤務時間や勤務場所にとらわれる必要はありません。
クライアントから税務の仕事を請け負った場合、期限内に確実かつ正確に、こなすことが求められますが、それ以外は作業時間や作業場所などの制約は一切ありません。

そのため、会社勤めの人に比べれば圧倒的に自由です。
しかし、税務の仕事内容については税務リスクを負います。
税務リスクは簡単に言えば、確定申告書を納税者に代わって作成して税理士署名をした場合、その申告書に誤りがあった場合には税理士が責任を負うリスクです。

職員税理士のときは、ボス税理士の署名が付くので、直接的に私が責任を負うことはありません。
今回の確定申告で、初めて後ろ盾(ボス税理士)のない状態で、申告業務を行いました。
当然、私の税理士署名が付きます。
その申告書について、なにか誤りがあれば私が直接責任を負います。

このように、自由と税理士報酬を得る代わりに、税務リスクと収入が不安定というリスクも負担しています。
そのため、はたから見れば楽しそうな仕事やり方でも、常にリスクと隣合わせなので、しんどいことも多いです。
やっぱり独立しようが、勤めていようが、どちらもメリットとデメリットがありますね。

そういえば以前に似たような記事を書いていたのを思い出したのでリンクを張っておきます。
よろしければ、どうぞ。

個人事業主になって良かったこと。個人事業主になるメリット。【154】

個人事業主になって不利になったこと。個人事業主になるデメリット。【155】

どちらが合うかは税理士本人の価値観しだい

それで、どちらが合うのかは税理士本人の価値観次第だと思います。

・仕事内容・働き方の自由度 > 収入の安定性・税務リスク
という人であれば、言わずもがな「独立」が向いているでしょう。
ただその人が置かれている経済状況にもよりますが。

・仕事内容・働き方の自由度 < 収入の安定性・税務リスク
という人であれば、「独立」は向いていないでしょう。

まとめ

・独立開業はリスクを負うからこそ自由を得られる
・独立が向いているかどうかは本人の価値観しだい

おまけ

【編集後記】

不動産の譲渡所得の論点について調べもの。
不動産の譲渡所得は論点が多くて難易度が高めの税務分野ということを再認識させられました。

【ムスコログ】

最近、寝起きの機嫌がすこぶる悪いです。
母に言わせるとイヤイヤ期はもっとひどかったそうです。
当時、父は勤め人で会社に行っており実害なかったのであまり記憶していません。(-_-;)