借入金の返済はなぜ経費にならないの?負債と費用の区分を明確に。【77】

事業をはじめられて間がない経営者の方から、
借入金の元金を返済しても経費にならないの?
と質問されることがよくあります。

負債と費用の区分

このような質問いただくのは、
その経営者の方が会計上の負債と費用の区分を
理解されていないからでしょう。

借入金の元金は会計上の「負債」にあたります。
この負債は決算書に含まれる貸借対照表(バランスシート)に表示されます。

貸借対照表とは

貸借対照表は一定時点の財政状態(資産と負債・純資産)をあらわす表です。
このように教科書的に書くと、よく分かりませんよね?

簡単にいうと貸借対照表は決算日の営業時間終了時点に、
何にいくらお金を投資していて、そのお金はどこからいくら用意したのかを示します。

例えば「資産の部」の棚卸資産に100万円とあれば
商品などの在庫にお金を投資していることになり、
車両に250万円とあれば
営業用車にお金を投資していることになります。

また「負債の部」の借入金に200万円とあれば
投資に使っている200万円は銀行などから借金で用意しているということであり、
「純資産の部」の資本金に1,000万円とあれば
投資に使っている1,000万円は株主からの出資で用意しているということです。

負債の返済は調達資金の減少

負債を返済することは調達資金の減少を意味します。
つまり借入金の元金を返済することは手持ち資金の減少を意味します。
売上を得るための商品やサービスの消費を伴わないため、
経営成績(利益の状況、儲けの状況)を把握するという目的には関係ありません。
そのため借入金元金の返済は費用とならないので経費にはなりません。

損益計算書とは

損益計算書は一定期間の経営成績をあらわす表です。

分かりやすくいうと、
損益計算書は1年間にわたる会社の業績を示します。

売上高から始まり、売上原価、販売費および一般管理費などの費用を段階的に
マイナスして会社の業績(利益)を計算します。

売上を得るための商品やサービスの消費を伴うものは費用であり、
業績(利益の状況、儲けの状況)を把握するには必要となります。

 

負債の返済を業績に含める弊害

借金の返済(負債の返済)は、業績には関係ない経済行為です。
これを費用として業績に含めてしまうと、
正しい会社の業績が把握できなくなってしまいます。
その結果、その会社が本当に儲かっているのかどうか
分からなくなるという弊害が生じます。

まとめ

借入金元金の返済は、
売上を得るための商品やサービスの消費を伴わず、
業績には関係ないため、
経費になりません。

経営者は負債の費用の区分の理解が必要です。

 

【編集後記】

先週、受講したブログセミナーのアドバイスを過去の投稿へ反映
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【ムスコログ】

私がルイージマンション2の難ステージを
15回ほどチャレンジしてクリアしました。
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