会社として存在するためのコスト。会社にするメリットと比較しよう!【258】

飛行機

幼稚園にて

 

自分で独立して商売をはじめるときに、必ずといっていいほど悩むことがあります。

それは、個人事業形態にするのか、会社(法人)形態にするのか。

会社にするメリットもありますが、会社として存在するがゆえに生じるコストもあります。

今回はそのことについてお話します。

社会保険料の折半負担

商売の形態を会社にすると、健康保険と厚生年金保険という社会保険に強制加入することになります。

このことは、法律に明記されています。

例え、他人または親族の従業員が1人もおらず、1人社長であってもそれは同様です。

この社会保険料は実はかなりの負担になります。

私の関与してきた中小企業の経営者は、みなさんこの社会保険料の負担に苦しんでいます。

具体的な金額を示してみます。

山形県で25歳の男性を基本給24万円で雇用したと仮定します。

平成30年4月~適用の社会保険料料率表によれば、
全国健康保険協会管掌健康保険料は全体で24,096円、そのうち半分の12,048円が会社の負担分になります。
厚生年金保険料は全体で43,920円、そのうち半分の21,960円が会社の負担分になります。

つまり、基本給240,000円+健康保険料(会社負担分)12,048円+厚生年金保険料(会社負担分)21,960円=274,008円が、会社の負担する人件費合計となります。
そのため、240,000円を人件費と捉えるのではなく、社会保険料込みの274,008円を実質的な人件費と捉える必要があります。

勤務時間の制限などをして、パートさんを合法的に社会保険に加入させない会社もたくさんあります。
これはまさに社会保険料の会社負担分を回避するための対策です。

ただし、会社形態を選んだ場合、フルタイム正社員は社会保険に加入させなければならないため、社会保険料の会社負担分(半分)は実質的な人件費の増加となるでしょう。

税理士報酬の負担

商売を個人事業で行っている場合、翌年の3月15日までに所得税の確定申告書を税務署に提出し、納税しなければなりません。
個人の確定申告をサポートする組織やイベントは多数あります。
代表的なところでいうと、税務署主催の確定申告書作成相談会や税理士会各支部主催の無料相談会などです。
また、所得税確定申告書の手引きやe-Tax画面もわかりやすく、税務のプロでない一般の方でも、案外簡単に決算・申告ができるようになっています。
要するに、個人の所得税確定申告書の作成は簡単です。
そのため、わざわざ税理士に報酬を払って申告する人の方が少ないでしょう。

しかし、法人税の確定申告書は個人の所得税申告書よりも難解です。
そのため、税務のプロでない人が、しかも手書きで作成しようとすると、膨大な時間がかかってしまいます。
法人の場合、ほとんどの場合、顧問税理士がついています。
その実情があってか、無料もしくは非常に安価で法人税の申告書の作成をサポートしてくれる組織やイベントはほとんどありません。

したがって、会社形態をとる、ほとんどの中小企業は税理士に法人税の申告書の作成を依頼しているのが現状です。
私の感覚でいう法人決算料の相場は、最低でも15万円~18万円(税抜き)です。

そのため、会社形態をとると、税理士報酬が年間15万円(税抜き)は必要になるでしょう。

法人都道府県民税と法人市民税の負担

個人事業であれば、商売が赤字であれば、商売に関する税金を一銭も納める必要はありません。

しかし、会社を選択すると、そうはいきません。

会社として存在し、行政サービスを受けているということで、商売の赤字・黒字に関係なく、固定の税金コストを負担する必要があります。

例えば、山形県山形市に会社の本店所在地を登記している場合には、
・山形県に法人県民税均等割22,000円
・山形市に法人市民税均等割50,000円
を最低限納める必要があります。(均等割は資本金の額や従業員数によって増減します)

商売が上手くいかなくて赤字、もしくは軌道に乗せるために先行投資により赤字の場合でも、この72,000円を納税することは結構な痛手になります。

会社にはたしかに積極的な節税対策できるといったポジティブな面があります。
しかし反面、会社であるがゆえのコストも存在します。
その両者を十分に検討して、商売を個人形態とするか会社形態とするかを決定されることをオススメします。

以上、また明日!

おまけ

【編集後記】

午後の昼寝から覚めると、ひどい頭痛が。
頭痛薬を飲んで、法人決算の最終チェック。
1人なので作成からチェックまで、すべて1人で完結しなければなりません。
体調管理の重要性が増しています。

【ムスコログ】

今日は日曜日でしたが、幼稚園のプール開きということで、親子3人でその行事に参加。
水を張ったプールに金魚やめだかを放流して、園児やその保護者が手でつかみ取りをします。
保護者として参加した私ですが、息子そっちのけで金魚に夢中になり、あっという間に時間が過ぎてしまいました。(笑)
成果は金魚5匹にめだか1匹。
うちでは飼えないので、飼える家の子に金魚をあげました。(去年もそうでした)