年末調整のしくみとその必要性。せっかくなら還付金だけじゃなく所得税の知識もゲットしよう。【330】

平成30年分の年末調整業務まで、まだまだ時間があります。

忙しい師走の年に1回しかない業務なので、毎年やっつけ仕事でなんとかこなしているなんて人もたくさんいるんじゃないでしょうか?

そこで今回は、少し早いですが、年末調整への理解を深めていただくための記事です。

年末調整とは

年末調整とは、給与所得者(従業員、役員)が給与、賞与、役員報酬などの支払を受けるときに、給与天引きされる年間の源泉徴収税額合計(=暫定的に納めた所得税額)と年末調整をしたあとの確定年税額(=その年に納めければならない所得税額)との差額を、還付もしくは徴収する仕組みです、

式で表すと以下のとおり。文章よりこっちの方がしっくりくる人もいるはず。。
(せっかくので数字も入れておきます。)
・年間源泉徴収税額合計100,000円 > 年末調整後確定年税額40,000円の場合、差額の60,000円は還付になります。
住宅ローン控除(2年目以降)を使うと年末調整で5万円以上還付になることもざらにあります。余談ですが。
・年間源泉徴収税額合計50,000円 < 年末調整後確定年税額55,000円の場合、差額の5,000円は徴収になります。

ざっくり口語訳すると、1月分から12月分まで給与天引きした暫定税額と、正確に計算した年末調整後の確定税額に差がでるから、その差額を還付したり、追加徴収することで精算しましょうよ、という仕組みです。

年末調整が必要な理由

税理士をしていると、たまに
「何で年末調整なんてあるの?」
「はじめから正確な源泉所得税を天引きすればいいんじゃない?」
と質問されることがあります。

その理由は大きく3つあります。
理由は知らなくても年末調整業務をこなすことはできますが、より年末調整への理解を深めるために興味あればご一読ください。

①年の途中の源泉徴収控除対象配偶者や扶養親族の増減があっても過去の月にさかのぼって源泉徴収税額を修正しない

②源泉徴収税額表は、年中における昇給や減給を考慮していない

③源泉徴収税額表は、配偶者特別控除や生命保険料、地震保険料、いわゆる住宅ローン控除などは考慮していない(年末調整に丸投げ)

給与等受給者が自分で年末調整すれば税の知識がつく

給与等の受給者(従業員、役員)が自分の年末調整を、自分でやると所得税の知識が身につくのでオススメです。

年末調整をする際に学べる知識は以下のとおりです。
・給与所得=給与収入ー給与所得控除
・社会保険料控除
・配偶者控除および配偶者特別控除
・扶養控除
・地震保険料控除
・基礎控除
・住宅ローン控除(2年目以降、1年目は確定申告が必須)

すこし勉強すれば、一般の方でも十分に対応できると思います。
もし各人の年末調整の結果が正しいか不安だという会社では、その結果を経理部なり年末調整を毎年担当している部署にチェックしてもらえばいいと思います。

自分のお金のことだから給与受給者は必死になって勉強するでしょうし、年末調整を担当する部署も仕上がった計算結果をチェックするだけで、年末の業務量をおさることができるため、一石二鳥だと思います。

まあ、現実にやろうとすると、いろんな抵抗があると思いますが。

以上です。また明日!

おまけ

【本日の成長】

Excelで作成した表をwordに貼り付け(配偶者控除額・配偶者特別控除額の表)

【編集後記】

本日も、じっくり年末調整セミナーの原稿づくり。
ワードとパワポの便利機能をググりながら作成しています。

【ムスコログ】

今日は様子見で最後のお休み。明日からまた幼稚園に登園します。
最後のお休みなので、母がポケモンGOにつきあって近場の公園をいっしょに回っていました。

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