作業代行だけでなく、レクチャー&トレーニングも税理士による問題解決方法になりうる。【158】

ビジネスの存在価値は問題解決です。
公認会計士業・税理士業の存在価値はクライアントの会計、経理、税務に関する問題解決です。
今回は、問題解決方法は作業代行受託だけではないのでは?、というお話。

確定申告期は超多忙

今日は2月16日(金)、所得税の確定申告の受付の初日です。

毎年この時期になると、税理士業界は猛烈な忙しさに殺気立ちます。
というのも、所得税の計算期間は1月1日から12月31日と一律に決まっており、
法人(会社など)のように任意に決算日を決めることができません。
そのため日本中の確定申告しなければならない個人が2月16日から3月15日まで申告することになります。
その結果、必然ですが確定申告時期は業務が集中してしまい、税理士業界は超多忙となってしまうんです。

私の思いつきアイデアですが、せっかくみんなにマイナンバーを付けたんだから、奇数ナンバーの人は7月1日から翌年6月30日が計算期間、偶数ナンバーの人はこれまでどおり1月1日から12月31日が計算期間と2つに分けて、確定申告を実施すれば、業務を分散できていいんじゃないかと思っています。
ただし、これは個人納税者間の公平性を欠くという理由で実現することはないでしょうね。早く納める個人は不利だとか言われるでしょうし、反対に遅く納める個人は有利だとか言われるでしょう。
しかしそれを言うなら法人も同じように一律に、たとえば4月1日から翌年3月31日を会計期間とする必要があると思いますが。。。

まあ、今の制度が変えられないなら、その制度のもとで業務の集中を回避する方法を考える必要があります。
ただし超多忙に抵抗がない税理士は考える必要はありません。体に気をつけて頑張ってください。

従来の税理士業界は作業代行がメイン

確定申告期に税理士業界が超多忙になる理由として、確定申告クライアントの所得金額計算から申告書の作成までを税理士事務所がすべて請け負っていることがあげられます。

これまでの税理士業界はクライアントの会計・税務に関する問題解決方法(飯のタネ)を作業代行受託という形に依存してきました。
具体的には、クライアントから確定申告に必要な資料を集めて、クライアントに代わって申告書作成を代行するという形です。

作業代行受託が悪いというわけではありません。当然、すべての納税者が確定申告書をすべて完璧に作成できるとは思っていません。(税理士でも間違えることありますしね。)
しかし、その場合でも確定申告期の超多忙を軽減するには、クライアントに切り出せる作業は切り出すべきです。
例えば、
・会計ソフトを利用した事業所得の計算
・不動産所得の計算
・医療費控除を適用する場合の医療費の集計(もしくは集計表の作成)
・ふるさと納税の集計
などは、切り出せると考えます。
会計ソフトを利用すれば複式簿記で青色申告特別控除65万のためのB/Sは簡単に作成することができまし、エクセルや電卓を使えばすぐに計算できる部分もあります。
今まで税理士が請け負っていた部分をクライアントに作業してもらうので、負担が減った分、税理士報酬は下がってもいいと考えます。

税務のレクチャー&トレーニングという問題解決方法

税理士や会計士の仕事が近い将来、AI(人工知能)にとって代わられるという予想が巷を騒がせていますが、
その取って代わられる仕事内容はまさに昔ながらの作業代行部分だと思います。

作業代行のロジック(論理)をプログラムにおこせれば、人間より機械の方が反復継続的に正確に速く作業代行を行えます。
そのため、記帳代行や税務申告書作成代行は間違いなく近い将来、機械化されるでしょう。
実際にすでにe-Taxシステムは一般の方でも使いやすく、かなり実用的なレベルに高められています。
特別に難しい確定申告でない限り、一般の方もインターネットで税務知識を調べながら自分で確定申告できるでしょう。

作業代行という問題解決方法は機械にまかせて、
税理士である私は税法レクチャー、会計ソフト・税務ソフトのレクチャーやそのトレーニングという機械にはできない問題解決方法をメインにするつもりです。
レクチャーやトレーニングという方法はクライアントに自分で確定申告するスキルを習得してもらいながら、税理士の作業代行による超多忙という負担を軽減する、双方にとって良い結果をもたらすものだと考えているからです。

まとめ

・税理士事務所が多忙なのは大量のマンパワーを消費する作業代行のせい
・その作業代行はAIに取って代わられるだろう
・新たな問題解決方法としてレクチャー&トレーニングを推奨

おまけ

【編集後記】

仮想通貨取引のあるクライアントの確定申告書ドラフトを作成し、
最終的なGOサインをいただきました。
仮想通貨取引に関する税制のいい勉強になりました。

【ムスコログ】

インフルエンザ休暇のため、「恐竜かるた」なるものを父と母とムスコの3人で遊びました。
知らないうちに、平仮名を読むことを完全マスターしていて驚きです。
来月の3月8日に4歳の誕生日を迎えます。つぎは平仮名と数字の書き取りのトレーニングかな。