税務にも細分化された専門領域がある。税理士の仲間内でも餅は餅屋です。【275】

南陽市

山形県南陽市にて

ひと口に税理士が行う税務といっても、その範囲はとても広いです。
細分化された分野にはその分野に造詣が深い税理士が存在します。

細分化された専門分野の例

税務を税目(税金の種類)で分けてみます。
法人税、消費税、所得税、相続税、贈与税など主な国税(国に払う税金)だけでも5つあります。
さらに地方税(地方公共団体に払う税金)は住民税、事業税、固定資産税・都市計画税、事業所税などがあります。

税務を業種で分けることもできます。
医業、士業、建設業、製造業、理美容業、飲食業、遊技業など業種の数だけ分けることができます。
その業種ごとに規制や法令が違い、税務上の取扱いも違うことがあるため全ての業種を総花的に抑えることは難しいです。

このように税理士が行う税務といっても、その内容は多種多様です。

その中で、自分がどの分野に興味があり、どんな業務をしたいのかをある程度しぼったうえで業務を行います。

ただし、ある程度の規模があり、税理士が複数人いるような税理士事務所(税理士法人)であれば、依頼のあった案件はなんでも受注するところもあるようです。

内科医的な法人決算・個人事業決算

1年に1回はやってくる法人決算や個人事業決算を行う税理士は、いうなればご近所のクリニックの内科医的な位置づけにあると考えています。

皆さんも、風邪を引いて体調を崩したとき、近所のクリニックの内科を受診するでしょう。
その感覚に似ていると思います。
風邪っぽいだけで、わざわざその地域の中核医療機関の専門医を受診される方はいないでしょう。

1年周期でやってくる決算という頭の痛くなる業務や一般的な税務相談は、近所の顔見知りの税理士に依頼すると思います。

外科医的な資産税・組織再編税制・国際税務

前述の法人決算・個人事業決算とは違って、単発で発生する税務が存在します。
この税務を専門としている税理士は外科医的な位置づけにあると考えています。

分かりやすいところでいうと、相続税の申告業務ですね。
数十年に1回あるかないかの税務です。しかし、遺産総額によっては多額の相続税が発生します。
また高い確率で税務調査があり、その調査の過程での誤り発見割合も高いため、一般にリスクの高い税務といえるでしょう。
その代わり数百万円クラスの税理士報酬が見込めるため、ハイリスク・ハイリターンではありますが。。。

その他に、不動産取引から生じる税務も資産税カテゴリーに含まれます。税金を安くする特例が頻繁に改正になり、適用関係も複雑なため、専門税務といえるでしょう。

合併(会社と会社を1つにまとめる)などの特殊取引にかかわる組織再編税務、海外取引や外国人の税務を対象とする国際税務という特殊な分野もあります。

特殊分野の専門税務をやりたい税理士(通常はHPなどで標榜しています)、
特殊分野の専門税務を依頼したい依頼者、
単発の専門税務ではなく毎期の決算業務に集中したい税理士、
の3者にとって望ましいのは、その分野の専門を標榜している税理士に専門税務を依頼することでしょう。

税務も特殊分野については、現在約7万人いる税理士の中から、その分野を得意とする税理士を選ぶ必要があるというお話でした。
税理士も餅は餅屋ということです。

以上です。また明日!

おまけ

【編集後記】

法人顧問もお客様に訪問。
財務データチェックと業績予測、資金繰りについてのご相談を受けました。

【ムスコログ】

何度か書いていますが、風呂ギライです。。
その上、シャンプーは大嫌いです。
なかなか入って洗髪してくれません。
次回から三ツ矢サイダーを餌にお風呂に誘い込んでみる予定です。!(^^)!