創業直後の投資判断の基準。補助金ありきで、「あったらいいな・便利かも」に投資しない。【302】

幼稚園の駐車場にて

 

創業直後は、融資を受けた資金やそれまで貯金していた資金があるため、一時的に多額のお金をもっています。

それまでもったことがないくらい大きなお金を自由に使うことができるため、普段とは違う変なテンションになり、無駄な出費をする可能性が高まるため注意が必要です。

創業期のお金を何に投資するのかが、その後の経営に大きく影響を及ぼします。

創業期は資金を減っていく緊急事態

創業期は、いわば毎月、出血している状態です。

売上も安定していないでしょうし、そもそも、売上がゼロということもめずらしくありません。
しかし事業の売上がゼロでも、事業主の生活費がゼロということはありえません。
食費や水道光熱費や子どもの教育費など個人的な生活費は必ず発生します。

つまり、「 入金 < 出金 」という状態です。

お金を人間でいう血液に例えると、入金は造血、出金は出血となり、創業期は造血量よりも出血量の方が多い緊急事態なんです。

そのため、出金を必要最低限に少なく抑えて、できるだけ早く入金を増やす、すなわち売上を獲得するために営業活動に力をいれるべき時期なんです。そのまま出血しつづけていると出血死(倒産)してしまいます。

「あったらいいな」「便利かも」で投資しない

入金がほとんどなく、さらに不安定な状態ですから、無駄な投資をしている余裕はありません。

しかし、創業直後の興奮状態では、妙なハイテンションで判断能力が鈍っているため、無駄な投資もしくは過剰な投資をしてしまいがちです。

なんとか事業を軌道に乗せることができ、創業当初を振り返って、あの投資は無駄使いだったなと笑い話やネタにできる場合はいいんですが、事業継続が困難になり、事業失敗してしまった場合には洒落になりません。

そのため、投資するかどうかの判断は、
「その投資をしなければ事業を行うことができないかどうか?」です。

「あったらいいな」とか「あると便利かも」というものには投資するべきではありません。

繰り返しますが、創業期は毎月出血しつづけている緊急事態だからです。

創業期に補助金ありきで投資しない

また、創業するにあたり、国や地方自治体から設備投資や販路開拓のため補助金がでる場合があります。

応募条件に見合う事業者が、補助金目的にあう支出をする際に書類(分厚いレポートのようなもの)を作成し応募し、国や地方自治体が選考し、採択された事業者に補助金(投資額の2分の1や3分の1)を支給する制度です。なお返済義務はありません。もらいっぱなしです。

この補助金制度は、少ない資金で事業を始める人にはメリットがあるんですが、デメリットとして補助金投資判断が鈍るという面を併せ持っています。

つまり、総額100万円の投資であっても補助金が50万円支給(補助割合2分の1)されるなら、実質の自己負担は50万円だ。

100万円の投資を自己負担50万円で行える。これは使わなければ損!なにか補助金対象となる投資はないか?という思考パターンです。

この思考パターンから出てくる投資対象は、ほとんどの場合、早急に投資しなければ事業を進められないという投資ではないでしょう。
たいてい、あれば便利だけど、いまいま絶対に必要なく投資ではなく、いつでもOKな投資である可能性が高いです。

前述の例でいうと、補助金がいくら50万円を肩代わりしてくれるとはいえ、残りの50万円は自腹です。
便利だけど、なくても事業に支障がないものに、緊急事態である創業期に50万円も投資することは控えるべきでしょう。

ただし、事業に絶対に必要な投資が補助金対象なら迷わず応募すべきです。
採択されれば、事業資金の減少を減らすことができるからです。

反対に「あったらいいな」とか「便利かも」という投資が補助金対象だったとしても補助金に応募しないほうがよいでしょう。
補助金が支給されるとはいえ、事業資金も必ず減ってしまうからです。

補助金ありきで、投資対象を選んでいる時点で本末転倒だと考えています。

以上です。また明日!

まとめ

・創業期は、継続的に「入金 < 出金」となる緊急事態
・投資するかどうかの判断は、「その投資をしなければ事業を行うことができないかどうか?」
・補助金ありきで投資対象を選んでいる時点で本末転倒

おまけ

【編集後記】

HPの大幅な改訂作業をしています。
夏は自由になる時間が多いため、夏休みの宿題の気分で試行錯誤しています。

【ムスコログ】

フリーランスになってから、朝ゆったり過ごすことができています。
毎日、息子を幼稚園バスに送り届けています。
自宅兼事務所のメリットですね。