年末調整業務は所得税の基本構造を学ぶにはもってこい。給与所得者が税を負担していることを強く認識することもできる。【333】

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最近は、年末調整セミナーのレジュメ原稿に注力しているため、年末調整のブログに傾倒しています。

まだしばらく先ですが、平成30年の11月から翌年1月ごろに読んでいただけるように、8月から記事を用意しておきます。(笑)

年末調整は所得税をざっくり学ぶ良い教材

所得金額(給与所得)の計算、合計所得金額の計算、源泉徴収税額の知識、所得控除の知識、累進税率の計算、税額控除の知識など所得税の基本的な知識と計算プロセスを学習することができます。

所得税の知識を学ぶときに、いきなりボリュームの多い個人事業主や不動産オーナーの確定申告を学習するのは骨がおれます。

そこで、計算ボリュームも少なく、基本的な論点が含まれている給与所得者の年末調整(いわゆるミニ確定申告)を、学習することが効率的でしょう。

源泉徴収制度の功罪

もともと我が国の源泉徴収制度は、戦費調達のために先行して源泉徴収制度を設けていたドイツの制度を見習って導入したそうです。(税金の小ネタです)

この源泉徴収制度は非常にうまく作られています。

どこが非常にうまいのかというと、効率的かつ安定的に税を徴収するとともに(功の部分)、納税者に税を負担しているということを感じさせにくくしている点(罪の部分)です。

つまり、給与支払者の会社等が、納税者である従業員の給与から天引きしていったん税を預かり、会社がその預かった税を税務署に納めるという間接的な納付方法をとっている点です。

いったん給与総額をまるまる懐にいれて、その後に、懐から〇〇円を税金として直接的に税務署に納めると、納税者は税を負担したことを強く意識します。
これに対して、給与総額から予め〇〇円を天引きして、その手取りだけを社員に渡せば、直接納税するよりも税を負担した意識を弱めることができます。

納税者に税負担をあまり意識させないことができれば、税について注目する納税者が減り、その分、税法の改正や増税をやりやすくなるでしょう。

税を負担していることを意識しよう

年末調整を学ぶことで、給与所得者の所得税の計算プロセスをざっくり学習できます。

それを学ぶことで、税金を負担していることに対する意識が高まるでしょう。

税負担をしている意識が高まれば、その税金の使い道にも、おのずと意識が高まるでしょう。

年末調整還付金をもらって、お年玉をもらった子供のように喜んでいる場合ではありません。
「源泉徴収でたくさん税金前払いしてるんだから、利息(還付加算金)がつけて還付すべきだ!」
と怒るくらいになると素晴らしいです。

なお、現行税法上は年末調整還付金に還付加算金はつきませんので誤解のなきようお願いします!<m(__)m>

以上です。また明日!

【本日の成長】

社宅移築費の消費税の課税関係について学習

【編集後記】

今日はお客さまとのアポイントが入っていなかったため、午前中は家事、午後は諸用で1日が終わりました。
明日は夕方から遊びの予定が入っているため、それまでは集中してセミナーレジュメ原稿の執筆に没頭する予定です。

【ムスコログ】

お盆前、預り保育の最終日でした。
給食のカレーもお代わりして食べ、年少の担任先生と今の担任先生もいらっしゃったので、楽しかったんでしょう。
今日も帰りの車の中で眠り、そのまま明日の早朝まで眠るんでしょう。(今も引き続き寝ています)

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