記帳代行を依頼すると楽だけど、いつまでたっても経理スキルがクライアントに蓄積されないという弊害がある。【384】

「記帳代行」とは、業界用語で、クライアントに代わって会計ソフトへの入力を代行する業務をいいます。

スタートアップ期の人手が足りない、本業が忙しすぎて事務に回す時間が足りないという場合に、一時的に利用するのは有りだと思います。

しかし、恒常的に記帳代行を利用することはオススメしません。

いつまで経っても経理スキルが身につかない

記帳代行料を顧問料に上乗せして、会計事務所に丸投げしてしまえば、経理という業務をアウトソーシングできるためラクチンです。

しかし、恒常的に記帳代行を利用してしまうと、いつまで経ってもクライアントに経理スキルが蓄積されないという弊害が生じます。

通常、記帳代行では、通帳のコピーや現金出納帳、請求書や領収書を準備して、それを会計事務所に渡すまでがクライアントの担当領域です。

その後、どういった会計処理がなされて、月次試算表ができているのかを知ることは通常できません。

決算終了後には、主要簿である仕訳帳や総勘定元帳を手渡されるため、その内容をみることができます。
しかし複式簿記の経理知識がない人が読んでも、なんのことやらちんぷんかんぷんが正直なところでしょう。

したがって、会計事務所に提供した会計資料から、試算表や決算書への生成プロセスがブラックボックス化してしまうんです。

経営者であれば、最低限、自分のビジネスの経理はマスターされることをオススメします。

試算表などの財務数値を理解するスキルが身に付きにくい

試算表や決算書への生成プロセスがブラックボックス化してしまうと、試算表などの財務数値を読んで理解するスキルが身に付きにくくなります。

経営者であれば、最低限、自分のビジネスの財務数値の読み方はマスターされることをオススメします。

会計資料から複式簿記による仕訳を起こし、会計ソフトに入力しているクライアント様は、やはり試算表の理解度がとても高いというのが私の実感です。
それこそ私の解説がいらないくらいに、よく読みこなされています。(笑)
そんなとき、私は過去の実績説明よりも将来の財務数値の予測やそれに応じた税額変動などのシュミレーションに解説のウェイトを移すようにしています。

恒常的に記帳代行を利用すると税理士変更の労力が大きい

顧問税理士のサービス品質の低下や経営者と相性が合わない等の理由で、税理士を変更したいと考えられているケースがたくさんあるようです。

このとき、変更の障害になっているのが、実は記帳代行を恒常的に依頼してしまっているという事実です。

記帳代行を利用することなく、クライアント様が自ら経理をしている(業界では自計化といいます。)場合、経理はクライアント様自らしっかり理解しているため、なんの抵抗もなく税理士を変更することができます。

これに対し、記帳代行を利用していると、会計資料から試算表などの財務データへのプロセスがブラックボックス化しているため、どうしてもクライアント様が後任税理士に1から10まで丁寧に説明しなければなりません。
この手間が心理的な負担になり、税理士変更を躊躇して、不満がありながらも現任税理士を変更しないで我慢するということが起こります。

そのため、税理士変更への負担を減らすためにも、自計化されることがオススメします。

以上です。また明日!

おまけ

【本日の成長】
税理士損害賠償保険のE-learningを受講。

【編集後記】
税理士業務の損害賠償事故事例を確認すると、防止するには自己研鑽するしかないと改めて実感。

【ムスコログ】
元気になったようで、今日は1日をとおして平熱。
明日は遠足の予定ですが、台風24号のおかげでどうなることやら。

【サービスメニュー】
林伸幸の特徴&プロフィール
税務・財務顧問
経理・税務トレーニング
個別コンサルティング