資格がない・雇われているうちは、いつまで経ってもセミプロ。独立して実感したこと。【317】

霞城セントラル

世間では依頼した仕事を責任もってやり遂げる人をプロとよんでいます。

しかし税理士や会計士は資格をもっていれば世間一般にはプロとして見られます。
雇われている時代の私も資格をもっていたので、自分で自分のことをプロだと思っていました。(あぁ勘違い・・・)
自分で独立して、自分で処理して、自分でサインする(=責任を負う)までは。。。

最終責任を負わなければセミプロ

どんなに会計や税法の知識と経験に造詣が深く、完璧な決算書や税務申告書を作成できても、その仕事に最終的な責任がもてなければ、その人はいつまでもセミプロです。

資格がなくてサインできない人

会計士や税理士は資格商売なので、国家資格がなければ、絶対に監査報告書や税務申告書にサイン(署名)できません。

このサインという行為が、この仕事について私が責任を負いますよ!という意思表示なんです。

つまり国家資格がなくて、サインできない人は、その仕事について責任を負うことができないため、どんなに熟練しても絶対にプロにはなれません。

仮に資格者より実務能力が高くてもプロになることはできません。
どう頑張ってもセミプロ止まりです。
これは、仕事の責任をサインという形で負担することができないからです。

責任を負わなくてもよい仕事であれば、どんな難しい事案でも、気楽に決算や申告書作成をすることができるでしょう。
たとえ、その税額が巨額100億円であっても。

ところが、自分でサインする仕事の申告書の税額が100億円であれば、そのプレッシャーは尋常ではありません。
サインすることで、責任を負担するため、ときには疑心暗鬼になって、次のような点を何度も確認することもあるでしょう。

・節税のための特例適用漏れはないか?
・もし税務調査がきたときに、対抗できる十分な根拠資料を保存しているか?
・単純な四則計算を誤っていないか?
・そもそも計算の前提が正しいのか?
など、疑心暗鬼になると、チェック項目がたくさん沸いてきます。

そういった精神的なプレッシャーを受けて、それを乗り越え、仕事にサインして初めて、プロになったと言えると考えています。

資格をもっていてもサインできない人

資格をもっていても仕事にサインできない人(しない人?)もいます。
それは雇われている資格者です。
雇われているため、実際の業務を本人がやったとしても、それにサインをして責任を負うのは、雇っているボス資格者です。

資格をもっていない人と同様に、仕事についてサインできず最終的な責任を負わないため、いつまで経ってもプロになることはできないでしょう。(ここでいうプロとは資格者の意味ではありません。)
やはりミスすると自分の懐が痛むというリスクを負い、プレッシャーをうけて仕事をしないと、いつまで経ってプロになれないと考えています。

自分で最終責任を負ってこそプロ

私は独立開業して、やっとプロの入り口に立てたと実感しています。

自分で営業をして、仕事を受注し、仕事をこなし、責任を負って仕事にサインし、報酬を請求し、領収します。
後日、サインした仕事について税務調査などがあれば、それに対応する必要があります。
これと平行して自己研鑽も欠かせません。(会計士40時間も税理士36時間という年間研修義務があります。)

お客さまも、依頼した仕事に関して、何か問題があった場合、責任をとってくれるからこそ高い報酬を支払ってプロに仕事を依頼するのでしょう。
これがもし、問題があってもプロは一切責任を負いません!という制度であれば、だれも高額なプロに依頼せず、実務能力の高い安価な報酬で仕事をしてくれるセミプロ(もしくはニセ会計士、ニセ税理士)に依頼するのではないでしょうか?

なぜなら、プロでもセミプロでも仕事の結果を同じで、アフターサービスも同じ(=責任を持たない)なら、報酬が安いほうを選ぶに決まっていますよね?

つまり、プロとセミプロの違いは、依頼した仕事の結果に、責任をもってくれるかどうか?なんです。

ただしサインするだけでは不完全

しかし、そう考えると、責任さえとれば、つまり有資格者でサインさえすれば、プロといえるのか?という指摘を受けそうです。

結論からいうと、そのような機械的なサインしかしない有資格者はプロではないと私は考えています。

部下がこなした、仕事の中身をしっかり把握しないで、単純作業のようにサインしている人は、単なる「サインだけする人」です。

やはり、サインをして仕事の内容に責任をもつと意思表示するのであれば、仕事の中身をしっかり把握・検討する必要があり、それをして初めてプロだと私は考えています。

以上です。また明日!

おまけ

【本日の成長】

平日の昼間に山形駅前のヴィドフランスにて過ごし、客入り・客層などチェックして新しい経験を獲得

【編集後記】

誰にも出さないつもりでいた開業の挨拶状を出すことにしました。
昨年の12月末に独立したのに、翌年7月末に挨拶状をだす。。
めちゃくちゃ遅いですが、まぁ出さないよりは出したほうがいいだろうとの判断です。

【ムスコログ】

霞城セントラルのソラリス(映画館)にて、ポケモンの映画を堪能。
今のアニメはCG、モーションキャプチャ、空撮視点など、新しい技術のオンパレードみたいです。(一緒に見た妻談)

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